展覧会のご案内

手紙シリーズⅤ 松永貞徳とその周辺

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俳諧の世界で松永貞徳(ていとく)といえば、貞門(ていもん)俳諧の祖として近世俳諧の礎を築いた人物として有名ですが、実は、室町、安土桃山、そして江戸と変転する時代を生きぬき、幅広い分野で才能を発揮した人物です。
貞徳は元亀2年(1571)、京に生まれました。3歳の時、信長が足利義昭を京都から追放、約230年続いた室町幕府が幕を下ろします。信長・秀吉が天下統一をすすめる激動の時代に貞徳は少年期を過ごします。本能寺の変がおこったのは、貞徳12歳の年でした。この前後から、連歌師であった父永種(えいしゅ)の導きで、歌学を九条稙通(たねみち)に、連歌を里村紹巴(じょうは)にと、当代一流の師について熱心に学び、稙通から12歳で『源氏物語』の秘伝を授かるほどの秀才ぶりを発揮します。父の友人大村由己(ゆうこ)(秀吉のお伽衆)の推薦で秀吉の右筆となったのが17歳。青年期を秀吉の文化圏のなかで過ごし、和歌・連歌・狂歌に茶の湯...と、様々な分野の人々と交流を持ったことは、貞徳にとって大きな財産となりました。なかでも細川幽斎(ゆうさい)に学んだ和歌は、後に貞徳の俳諧観にも大きな影響を与えます。
慶長五年(1600)、関ヶ原の戦後の家康の新時代に30代を迎えた貞徳は歌人として活動する一方、林羅山(らざん)らと『徒然草』などの古典の公開講義を行い、息子とともに私塾を経営するなどして庶民教育に努めます。俳諧活動が活発になったのは、大坂夏の陣(1615年)のあった45歳以降のことです。これまで身に付けた和歌や連歌の教養をもとに、俳諧の式目(ルール)を整備し、「俳言(はいごん)(俗語)」を用いるのが俳諧だと定義づけ、連歌との違いを明確に打ち出しました。このような貞徳のわかりやすい教えによって、貞徳流の俳諧は庶民の文学として全国に広まり、多くの門人が育ち、後に「貞門俳諧の祖」と称されるまでになるのです。 晩年、「命期(めいご)(寿命)」を悟った貞徳は、64歳の年から1歳と数え始め、姿かたちも童形となり、生まれ変わった気持で、承応2年(1653)に83歳で生涯を終えるまで文学と宗教の道に生きました。 本展では、貞徳の俳諧のみならず、連歌、和歌、狂歌、茶の湯との関わりを館蔵資料によって紹介します。貞徳が生きた時代の空気を感じ取っていただければ幸いです。

会期

  • 平成30年4月7日(土)~6月10日(日)
  • 月曜日休館(祝日の場合は開館。翌火曜日休館)。5月21日~26日休館
  • 開 館 時 間  午前10時〜午後6時(ただし入館は午後5時30分まで)

主な出品資料

  • 紹巴「くやしさや」発句短冊(柿衞文庫蔵)
  • 紹巴書簡 木食応其あて(柿衞文庫蔵)
  • 貞徳出座 賦何人連歌百韻懐紙 天正18年11月24日興行(柿衞文庫蔵)
  • 羽柴千句(柿衞文庫蔵)
  • 貞徳筆 瓜硯の記草稿(柿衞文庫蔵)
  • 貞徳書簡 望月長孝あて(柿衞文庫蔵)
  • 貞徳点 望月長孝百首和歌(柿衞文庫蔵)
  • 『古今夷曲集』(柿衞文庫蔵)
  • 豊蔵坊信海筆狂歌巻(柿衞文庫蔵)
  • 貞徳筆 葉茶壺の記百韻(柿衞文庫蔵)
  • 古田織部書簡 松平右衛門大夫正綱あて(柿衞文庫蔵)
  • 貞徳「鳥の名を」発句短冊(柿衞文庫蔵)
  • 貞徳書簡 野村九郎兵衛あて(柿衞文庫蔵)

スライドトーク

  • 担当学芸員による見どころ解説(参加無料)

4月24日(火)午後1時30分より

柿衞文庫講座室にて

お申し込みは柿衞文庫まで»


観覧料

  • 一般200(160)円
  • 大高生100(80)円
  • 中小生50(40)円
  • ※( )内は20名以上の団体割引料金



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