かきもりニュース

「伊丹一句(19)の日」令和3年10~12月分結果発表

 たくさんの投句をありがとうございました!
 伊丹一句(19)の日は毎月19~21日に実施していますので、どなたでも気軽に投句してください!
(伊丹一句(19)の日詳細はこちら)

【令和3年10月分】


投句総数:800句

特選
くりごはん月のような色づかい   伊丹市立笹原小学校  西川 奏大


(選評)栗ごはんが月の世界の食べ物のように感じられる。月の破片みたいな栗がうまそう。栗名月という言葉を連想する。(坪内稔典)


入選
 <宇多 喜代子 選>
天高しきゅっと上向く牛の尻   埼玉県さいたま市  澤田 紫
反抗期音立てかじる林檎かな   大阪府松原市  西川 清子
全快を祝ふ風ふく秋桜   兵庫県伊丹市  宮永 沙織

 <山田 佳乃 選>
駆ける子のやっぱりこけて鰯雲   大阪府大阪市  井上 真弓
夜半の秋ましろに晒す台布巾   兵庫県神戸市  岩永 靜代
走り蕎麦せいろ三枚酒二合   兵庫県姫路市  佐藤 日田路

 <朝妻 力 選>
改札を抜け母となる夕月夜   兵庫県神戸市  キートスばんじょうし
失敗はこれで三度目梨を剥く   兵庫県三田市  新元 光代
ろてんぶろいっしょにはいる秋の虫   伊丹市立有岡小学校  西田 真優

 <西谷 剛周 選>
簑虫や一人遊びの上手な子   大阪府茨木市  石田 愛子
理不尽な事を仰る泡立草    奈良県生駒郡斑鳩町  こにし 桃
いちじくの半分青い真面目です   兵庫県宝塚市  村上 栄子

 <坪内 稔典 選>
嘘をつくための指切り鶏頭花   三重県伊勢市  藤田 ゆきまち
長男は五段変速大西日   奈良県生駒郡斑鳩町  山崎 篤
小さき歯の二つ揃ひて小鳥来る   大阪府茨木市  吉野 春夏

 <柿衞文庫賞>
真つ直ぐに傾いてゐる葉鶏頭   京都府京田辺市  加藤 草児
いっせえの大縄に入る秋天下   和歌山県海南市  多田 泰子
カピパラに似る飼育員秋うらら   和歌山県紀の川市  中島 紀生
黒板に書く君の名や秋澄めり   三重県伊勢市  山川 哲史


佳作
銀杏散る未来の恋がポケットに   北海道北斗市  青木 弘子
秋天や羽さわさわと孔雀立つ   香川県高松市  あずお 玲子
秋日影しずか火曜の美術館   兵庫県神戸市  石井 瑩
氏神の山に一礼種を採る   兵庫県神戸市  植附 真由美
中也忌やワインセラーは密室で   滋賀県大津市  近江 菫花
下町に残る駄菓子屋文化の日   兵庫県神戸市  岸下 庄二
クレーン車を操る女鵙日和   兵庫県川西市  国代 鶏侍
男湯の夫の嚔や星の宿   千葉県成田市  幸田 柝の音
古書市の百円コーナー秋日差   大阪府池田市  鈴木 寿子
暮の秋少し渋めの紅茶かな   愛媛県松山市  ひでやん
一輪の赤く色づくはぎの花   伊丹市立鴻池小学校  細見 詩
弾み来るマーチどこかで運動会   兵庫県伊丹市  松井 茂子
好きだよと言っていいのよ星月夜   大阪府高槻市  松代 享子
秋刀魚食ひ了へて漫画のやうな骨   愛媛県伊予郡松前町  松田 夜市
銀杏をひらう地球の片隅で   兵庫県伊丹市  屋部 きよみ
木の実降る鬼貫句碑の太き文字   兵庫県伊丹市  𠮷澤 忠

【令和3年11月分】


投句総数:846句

特選
信金のバイクかろやか柿の秋   愛媛県伊予郡松前町  松田 夜市


(選評)信金のバイクが俳句に登場したのは初めてかも。そのローカルさがいいなあ。柿の秋にぴったりの風景だ。(坪内稔典)


入選
 <宇多 喜代子 選>
水面の光を集め実紫   大阪府堺市  青木 美葉
日本地図の形の雲や小鳥くる   千葉県南房総市  沼 みくさ
マフラーに編み込む吾子の未来かな   兵庫県伊丹市  藤本 仁士

 <山田 佳乃 選>
病棟の窓の開かず冬ざるる   愛知県尾張旭市  小野 薫
死ぬ力残して母の夜長かな   兵庫県川西市  黒木 康仁
茶の花の蕊はころころ輝きぬ   東京都足立区  木幡 忠文

 <朝妻 力 選>
こたつねこ丸くならずにのびている   兵庫県伊丹市  岩橋 美里
熱燗や親父の歳を今日で越ゆ   兵庫県伊丹市  遠山 英樹
田の神を山へ還して七五三祝   奈良県生駒郡斑鳩町  山崎 篤

 <西谷 剛周 選>
子午線に袂触れ行く七五三   兵庫県三田市  立脇 みさを
こつちむいてあつちむいて蛇穴に   石川県鳳珠郡能登町  中 十七波
おだてられちょっとゆるして柚子湯かな   兵庫県尼崎市  よしだ 芳子

 <坪内 稔典 選>
わたしはねいちょうのはっぱをみつけたの   伊丹市立鴻池小学校  池川 美月
きゅう食にカリフラワーが出てくるよ   大阪府豊中市  岩上 真子
妹がずっと待ってた七五三   伊丹市立鴻池小学校  作原 杏佳

 <柿衞文庫賞>
辞書パソコン眼鏡コーヒー鉦叩   兵庫県川西市  国代 鶏侍
秋寂の工事現場の外国語   兵庫県伊丹市  田村 道子
行く秋をころがって行く瓶の蓋   大阪府箕面市  鶴濱 節子
鼻ぺちゃの私はマスク美人かも   兵庫県明石市  濱口 宏子


佳作
空の端と海の端むすぶ冬茜   大阪府茨木市  石田 愛子
蠣を割る磯の香りとお母さん   兵庫県伊丹市  川上 富雄
冬が来る来なければいい冬が来る   伊丹市立鴻池小学校  興梠 美咲
花野では大外刈りはかけないで   埼玉県さいたま市  澤田 紫
おはようとリュックの中から柿ふたつ   兵庫県伊丹市  白石 千鶴子
冬青空猫は片手で顔洗う   兵庫県伊丹市  平 きみえ
銀杏散るくるりくるりと三拍子   兵庫県伊丹市  竹中 佳子
湖小春余呉を称ふる句碑二つ   岐阜県岐阜市  辻 雅宏
日時計の正午短し大枯野   島根県松江市  寺津 豪佐
寒干しや日向の風の色となり   岡山県瀬戸内市  難波 美枝子
植物園蓮の実ひとつ五十円   大阪府羽曳野市  藤岡 雛子
善哉の甘さ控えめ神の留守   兵庫県西宮市  ほなが 穂心
茶の花や勝手口から猫の妻   兵庫県伊丹市  前田 延子
冬青空スキップで行く浜へ行く   大阪府高槻市  松代 享子
賽銭の音響きたる神の留守   兵庫県神戸市  葦 たかし



【令和3年12月分】


投句総数:809句

特選
あめ色のおでんの大根はんぶんこ   宝塚市立宝塚小学校  武田 奈々


(選評)おでん、あるいはブリダイコンの大根だろうか。はんぶんこという語があめ色の大根をとってもうまそうに感じさせる。(坪内稔典)


入選
 <宇多 喜代子 選>
大根を干して十日の色と香と   奈良県生駒郡斑鳩町  片岡 宏子
冬構男結の固きこと   兵庫県姫路市  佐藤 日田路
火の鳥の羽音ちかづく十二月   兵庫県尼崎市  瀬尾 白果

 <山田 佳乃 選>
炉話や鉄瓶の蓋持ち上がる   京都府京田辺市  加藤 草児
外は雪米研ぐ母の手のまっか   兵庫県伊丹市  川上 富雄
夫とゐて思ひ思ひの鴨を見て   兵庫県神戸市  長谷川 淑子

 <朝妻 力 選>
埋火の如く曾祖母元気です   石川県鳳珠郡能登町  中 十七波
小雪舞ふ誰かが小さく泣ゐたかも   福岡県福岡市  平川 直子
それぞれの家に灯のある十二月   大阪府茨木市  吉野 春夏

 <西谷 剛周 選>
オリオンの肩を貫く送電線   神奈川県横浜市  岡 一夏
煮凝や父似の私父が好き   兵庫県伊丹市  平 きみえ
雪女ハローワークの自動ドア   兵庫県宝塚市  藤田 晋一

 <坪内 稔典 選>
クリスマスたのんだものがこなかった   伊丹市立鴻池小学校  清水 星凱
冬の雷応挙の仔犬飛び出しぬ   兵庫県伊丹市  藤本 仁士
雪積もり友達出来た雪うさぎ   伊丹市立笹原小学校  室山 陽翔

 <柿衞文庫賞>
かたくりの花万葉の峠かな   兵庫県伊丹市  石川 道生
新藁に潜り込みたるかくれん坊   兵庫県神戸市  寅谷 照夫
出口なき街となりけり雪催   北海道千歳市  村瀬 文哉
軽トラに牛が一頭雪催   和歌山県紀の川市  柚木 みゆき


佳作
寒卵買ひ図書館に返本す   大阪府堺市  井上 昌子
毛糸編む手話で話をするやうに   兵庫県神戸市  岩永 靜代
来年をおでんのちくわ通し見る   兵庫県伊丹市  岩橋 美里
寒鴉無頼派なんて嘯ぶくな   兵庫県宝塚市  上田 幸子
セーターをぬぐ時かみの毛せい電気   伊丹市立笹原小学校  大池 沙琶
ジャンバーを二枚重ねに着て散歩   兵庫県伊丹市  喜多 香菜美
AIに諭されている小春かな   兵庫県川西市  国代 鶏侍
あれ何に怒っていたか冬日向   三重県大台町  瀬川 令子
病床の朝これは天井冬霞   兵庫県伊丹市  田中 岳陽
天丼の海老天二匹開戦日   島根県松江市  寺津 豪佐
寒稽古終えて大きな握り飯   大阪府豊中市  戸川 富士子
むむむむむ むむむむむむむ 海鼠噛む   兵庫県三田市  新元 光代
絹針のような麦の芽甲斐の村   千葉県南房総市  沼 みくさ
冬青空行き先決めず歩く道   大阪府高槻市  松代 享子
鯛焼きを五匹抱へて夜の帰路   三重県伊勢市  山川 腎茶
小春日やにわか床屋の母の腕   埼玉県川越市  吉野 敬子


【今回の賞品】


特選・入選のみなさまには協賛企業提供の下記賞品をお渡しいたします。

・酒粕牛すじカレー(伊丹老松酒造(株)より)
・白雪純米吟醸赤富士(小西酒造(株)より)
・松谷のお味噌汁6個セット(松谷化学工業(株)より)
・図書カード1,000円分(特選のみ)(柿衞文庫より)

一句賞品 下半期あて.jpg

※入賞者には、投句時にご記入いただいたご連絡先に柿衞文庫よりご連絡させていただいております。 まだ連絡がない場合は、何らかのエラーが考えられますので、お手数ですが柿衞文庫までご連絡ください。


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