所蔵品のご紹介

立圃筆休息歌仙図

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三九・五×八五三・三 紙本淡彩 巻子

 三十六歌仙を花と月の左右十八組に配し、歌仙の名を詠み込んだ句を賛とする。淡彩で描かれた三十六歌仙は、くつろいだ姿で、その姿態と表情は俳味に溢れている。この作品は人気を博したとみえて数多く制作され、また版本も出された。いわゆる俳画は、この画に始まるといえる。

 立圃(りゅうほ)は野々口親重、別号松翁・無文。京の人。貞門七俳仙の一人。重頼の『犬子集』に対抗し、一門の句を増補した『誹諧発句帳』を刊行。式目書『はなひ草』も刊行して一派を形成した。江戸・大坂でも門派を作る一方、備後国福山の水野勝俊に召された時期もある。俳画の祖と称され、画・俳両面にすぐれた。文禄四(一五九五)〜寛文九(一六六九)



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