開館25周年記念 酒都伊丹につどう―詩人・俳人・画人たち【終了しました】
江戸時代、伊丹の町は将軍家御膳酒「伊丹諸白」の名醸地として、経済的な隆盛をみました。文化的で、財力のあった酒造家たちは、当時の一流の文化人たちと交わり、彼らを支援しました。酒都伊丹に集った詩人・俳人・画人と、伊丹の旦那衆が織り成す、独特の伊丹文化をお楽しみください。
江戸時代、「伊丹諸白」の名醸地として栄えた伊丹。その美酒にひかれて多くの文化人がこの地を訪れ、多くの文学や芸術作品を残しています。伊丹酒を好んだ詩人・頼山陽や、伊丹酒のとりこになって伊丹に住み着き、伊丹風俳諧(注*)の祖となった俳人・宗旦、山陽とともに伊丹を訪れた画人・田能村竹田など…です。いっぽう、伊丹の酒屋の旦那衆もまた、風雅をたしなみ、時には彼らの活動を支える、文化の担い手でもありました。蕪村の門人として活躍した酒造家山本東瓦や、山陽や竹田を迎えた岡田糠人などです。近代には、能楽の再興に尽力した酒造家小西新右衛門(業茂)や柿衞文庫の創設者岡田利兵衞(柿衞)などがいます。今回の展覧会では、彼ら、文化人と旦那衆の作品のなかから、伊丹や酒にまつわるものを紹介します。また、自邸に能舞台をつくるほどの演能者でもあった業茂の、小西家ゆかりの能面や、柿衞翁の俳諧コレクションの原点となった鬼貫や芭蕉の作品も展示します。
*伊丹風俳諧とは…? 延宝から元禄ころ(1673~1704)にかけて伊丹で流行した俳風のこと。俳句塾也雲軒を開いた宗旦はその指導者的存在。口語や俗語を使った大胆な句風は、“太くたくましい嵯峨の竹の子”にたとえられています。
主な出品作品
- 「日本山海名産図会」・「都万太夫座屏風」「摂津川辺郡伊丹細見図」
- 宗旦筆「踏れけり花口惜か今一度さけ」句短冊・「有岡逸士伝」・「伊丹生俳諧」
- 鬼貫筆月花句懐紙・百丸編「六玉川」・「西鶴織留」・蕪村筆東瓦宛書簡・「夜半楽」
- 谷口与鹿作竹酒筒・小西家旧蔵能面 約100点
※会期中展示替を行います
会期
- 平成21年4月18日(土)~6月14日(日)(月曜日は休館、ただし5月4日開館、7日休館
- 月曜日は休館
- 開 館 時 間 午前10時〜午後6時(ただし入館は5時30分まで)
入館料
- 一般700(600)円
- 大高生450(350)円
- 中小生350(250)円
※()内は団体割引料金
記念講演会
- 「19世紀の伊丹と都市文化」
- 神戸女子大学教授 今井修平氏
- 4月25日(土) 午後1時30分~3時
聴講は無料です。
事前に柿衞文庫にお申込ください(電話可)»
連続講座
- 「講談 清酒の発祥と山中鹿之助」
- 講談師 旭堂南海氏
- 5月9日(土) 午後1時30分~3時
- 「伊丹の小説家―伊丹椿園」
- 愛媛大学教授 福田安典氏
- 5月16日(土) 午後1時30分~3時
- 「近代上方の能と伊丹」
- 神戸女子大学教授 大谷節子氏
- 5月23日(土) 1 午後1時30分~3時
- 「俳諧と能楽」
- 大阪芸術大学教授 三村純也氏
- 6月6日(土) 午後1時30分~3時
<聴講料>
一般 4000円(1回のみも可 1500円) / 友の会会員1回 500円