展覧会のご案内

神医と秋成―谷川家資料にみる【終了しました】

秋成筆「吾大君」(谷川家資料).JPG

両眼を失明した上田秋成の眼を治療し、晩年の創作活動を可能にした「神医」谷川三兄弟。眼の治療費に代わるものとして秋成が贈呈した歌文が、現在も谷川家に多数伝存しています。谷川家のご協力により、秋成が心を込めて贈った作品の数々をご紹介します。


 代表作『雨月物語』をはじめとする小説のほか、和歌、和文、俳諧、国学、随筆、煎茶など多彩な分野において才能を発揮した上田秋成(1734~1809)。秋成は五十七歳で左眼を、六十五歳の時に右眼を失明します。物書きを生業とする者にとって、両眼の光を失うということは、まさに作家としての命を絶たれることに等しかったに違いありません。その左眼を治療し、晩年の創作を可能にしたのが、播磨の眼科医、谷川良順(りょうじゅん)、良益(りょうえき)、良正(りょうしょう)の三兄弟でした。秋成が三兄弟のことを「神医(しんい)」と呼んだ、その言葉には秋成の並々ならぬ感謝と敬意が示されています。そうした思いを込めて、秋成が谷川家に贈った品々が現在も、谷川家に残されています。秋成の資料がこうした形でまとまって伝わっていることは他に例がありません。今回の展覧会では、谷川家のご協力により、これらの貴重な資料をご紹介します。

 またあわせて、秋成の文学活動の出発点となった俳諧作品を、柿衞文庫所蔵の資料を中心にご紹介し、秋成の創作活動の原点を探ります。

 青年時代から晩年に至るまで、衰えることを知らなかった秋成の創作活動が生み出した作品の数々からかいま見える、自在な秋成の姿をぜひお楽しみください。


会期

  • 平成24年3月3日(土)~3月25日(日)
  • 月曜休館
  • 開 館 時 間  午前10時〜午後6時(ただし入館は5時30分まで)

主な出品作品

  • ・秋成筆春雨梅花歌文巻(谷川家蔵)
  • ・秋成筆谷川良順・良益・良照あて書簡(谷川家蔵)
  • ・谷川家系図(谷川家蔵)
  • ・秋成筆「春の雲」句一行物(柿衞文庫蔵)
  • ・秋成編『むかし口』・秋成著『也哉鈔』(柿衞文庫蔵)
  • ・秋成が和歌を書いて谷川家に贈った小忌衣(おみごろも)(谷川家蔵)
  • ・谷川眼科診療記(谷川家蔵)  
  •                      など約70点

入館料

  • 一般500(400)円
  • 大高生250(200)円
  • 中小生100(80)円

※()内は20名以上の団体割引料金


記念講演会(終了しました)

  • 「神医への報謝ー谷川家蔵秋成遺墨の世界ー」
  • 大阪大学教授 飯倉洋一氏
    3月4日(日) 午後1時30分~3時

聴講は無料です。
事前に柿衞文庫にお申込ください(電話可)»



ページの上へ