催し物のご案内

第五回桂信子賞授賞式のご案内(1月11日)

俳句創作に加え、地道な研究活動を怠らなかった女性俳人 桂信子(かつらのぶこ)の関係資料は、平成17年11月3日柿衞文庫に寄贈され、俳句資料室が開室しました。平成21年、その開室3周年と柿衞文庫開館25周年を記念して、ここに、桂信子を顕彰し、女性俳人の活動のさらなる発展を願って、桂信子賞を制定する次第となりました。

第五回となる本年の受賞者は、柿本多映(かきもとたえ)氏に決定しました。下記の通り、授賞式を行います。ご参加賜りますようご案内申しあげます。

  • 1、日時  平成26年1月11日(土)午後1時30分より
  • 2、場所  柿衞文庫 講座室
  • 3、式次第
  •    ○ 桂信子賞選考経過報告(宇多喜代子・黒田杏子・寺井谷子・西村和子各委員)

       ○ 授賞式

       ○ 受賞者講演

  • 4、参加  聴講無料 当日受付(定員100名・先着順)

柿本多映(かきもとたえ)

1928年、滋賀県生まれ。歴史的文化的伝統を有する生家(園城寺(おんじょうじ)・三井寺とも)の影響もあって若い頃は短歌に親しんだが、知命を迎えるあたりから俳句に惹かれ、大津西武のカルチャーセンターで句作を始めた。まもなく赤尾兜子(あかおとうし)の「渦(うず)」に入会して頭角をあらわし、1980年には渦賞を受賞。兜子死去後は「渦」を離れ「白燕(びゃくえん)」・「草苑(そうえん)」に参加、橋閒石(はしかんせき)・桂信子(かつらのぶこ)の指導を受けた。 1984年の第1句集『夢谷(ゆめだに)』以後、本年の『仮生(かしょう)」まで7句集を刊行。第35回現代俳句協会賞受賞。著作は評論集『時の襞(ときのひだ)』(2000)、エッセイ『季の時空へ(きのじくうへ)』(2011)、『ステップ・アップー柿本多映の俳句入門』(2011)など多彩。 俳句の触れた契機はカルチャーセンターの講座であったが、赤尾兜子のもとで生来の感性がより鋭く研ぎ澄まされ、橋閒石・桂信子との出会いでさらに大きな飛躍を遂げる。とくにまっすぐに真摯に俳句に向き合う凛とした姿勢は桂信子に相通じるもので、この賞の受賞にふさわしい女性俳人である。現在は無所属で活躍。

桂信子(かつらのぶこ)

1914年大阪市生まれ。大阪府立大手前高等女学校(府立大手前高等学校)卒。1938年、日野草城主宰「旗艦」に投句。1946年、創刊の「まるめろ」に山口誓子の『激浪』ノートを連載。1954年、「女性俳句会」創立、発起人となる。1970年、俳誌「草苑」を創刊、主宰。新興俳句出身の数少ない女性俳人。1977年、第一回現代俳句女流賞受賞。1992年蛇笏賞受賞。1994年勲四等瑞宝章受章。ほか。句集は、1949年第一句集『月光抄』、1955年第二句集『女身』、1967年第三句集『晩春』ほか第10句集まで刊行。2004年逝去。享年90歳。


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